お茶でも飲みながら「けいおん!」
けいおん!系SSの中から、お茶でも飲みながらマッタリと読みたいほのぼのしたものを中心に、管理人の好みで載せていきます。
201805<<123456789101112131415161718192021222324252627282930>>201807
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
和 「桜高軽音部専属ボーカル 真鍋和です~桜高祭 本番まであと三日 編~」
唯和2 
107 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/21(月) 12:31:51.10 ID:W7MU/L9j0
学園祭を三日にひかえた、ある日の放課後。

軽音部!!


ちゃちゃっ!ちゃちゃっ!ちゃ~~~ん♪

じゃかじゃんっ!


澪 「・・・・・ふむ」

律 「いいじゃんいいじゃん」

唯 「うんうん!」

和 「・・・だね!」

みんな「完・璧!!」


本編 和「桜高軽音部専属ボーカル 真鍋和です」

105 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/21(月) 12:28:05.48 ID:W7MU/L9j0
1です。

ちょっと外伝というか、補完をば。
夏休みが終わって、あと数日でいよいよ学園祭という、ある日の出来事です。
ゆっくり行きます。

108 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/21(月) 12:35:58.85 ID:W7MU/L9j0
澪 「最近ずっと思ってたんだけどさ。もしかして私たち、凄くないか?」

律 「ああ、凄い凄い。夏休みに初めて音合わせして、それからまだ間もないってのに」

澪 「もうこんなに息がピッタリだ!」

唯 「これなら胸を張って、桜高祭のステージにも立てるね」

和 「そうね。これも合宿で頑張った成果かしら」


合宿・・・

私が無用なこだわりを捨て、唯が心の蓋を開くことができた、あの合宿が終わってから早一ヶ月。

私たちの高校生活最初の夏休みは、軽音部のみんなとの多くの思い出を跡に残して、怒涛のように過ぎ去っていった。

日中は部室に集まり練習に明け暮れ、それがすめばみんなで外に繰り出し。

街で遊んだりファーストフードでだべったり。

わずかひと月たらずの夏休みの、なんて密度が濃かったことだろう。

友達とただ楽しく笑いあって、負い目のない付き合い方をすることが、こんなにも楽しかっただなんて。

忘れていた感覚。

109 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/21(月) 12:38:35.82 ID:W7MU/L9j0
律 「しっかし和って、良い声してるよなぁ」

和 「え。な、なによいきなり・・・」

澪 「いや、私もそれは思ってた」

和 「ちょ、ちょっと・・・」

澪 「声に伸びがあるって言うか、聞いていて心地好い声音だよな~」

和 「ああ、もうっ!」

唯 「和ちゃん、照れてる~」

和 「ゆ、唯っ!」

唯 「きゃー♪」


110 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/21(月) 12:40:42.18 ID:W7MU/L9j0
唯 「照れてる和ちゃんも可愛いよ」

和 「唯!こら、待ちなさいっ!」

唯 「やだー」キャッキャ

和 「ちょ、この・・・!逃げ足だけは相変わらず速い・・・!」

唯 「可愛いって言ってるのに、なんで和ちゃんは怒るのかなー・・・ おっと!」

和 「くっ!この!ちょこ・・・」すかっ

和 「まか・・・とっ!」すかっ!

澪 「すごいな唯。全部すんでのところでかわしてるぞ」

律 「おーおー、和も必死になっちゃって」

111 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/21(月) 12:45:29.26 ID:W7MU/L9j0
律 「なんも怒ることないだろー、和」

和 「はぁはぁ・・・だ、だって、みんなで・・・ぜぇぜぇ、変なことを言うから・・・」

律 「褒めたんだろ?」

和 「うう・・・」

澪 「別にお世辞や冷やかしで言ってるんじゃないよ。本当に良い声だなって思ったから言ったんだ」

澪 「歌い手が良いと選曲の幅も広がるし、ほんと和が軽音部に入ってくれて良かったよ」

和 「・・・っ」

律 「唯のコーラスも、良い感じで声が出てきたし」

唯 「えへへ」

律 「楽しみだな、ライブ!」

和 「え、ええ・・・・」

唯 「・・・・和ちゃん?」

112 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/21(月) 12:47:34.75 ID:W7MU/L9j0
和 「そ、それはそうと・・・!」

律 「誤魔化した!」

和 「じゃなくて。今日ムギの姿が見えないのが気になってたんだけど・・・」

澪 「ああ、ムギなら職員室だよ」

澪 「学園祭でステージを使う許可をもらいにね、お使いをお願いしたんだ」

和 「そうだったの」

律 「と、噂をすれば・・・」


がらっ


紬 「みんな、ただいま~」

唯 「ムギちゃん、おかえり!」

113 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/21(月) 12:53:03.16 ID:W7MU/L9j0
澪 「ご苦労様、ムギ。それでステージは何時から使えるって?」

紬 「それがねぇ。軽音部はまだちゃんとしたクラブって認められてないって、断られちゃった」

唯 「ああ、そっか~」

律 「それじゃぁ仕方がないよなぁ」

澪 「うんうん。じゃあ、ライブに向けてもう一ガンバ・・・・り・・・」


・・・・・
・・・・・


律・澪・唯・和 「ええっ!?!?!?」

114 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/21(月) 13:04:10.41 ID:W7MU/L9j0
律 「部として認められてないだって!?」

紬 「うん、そうみたい・・・」

唯 「部員が四人以上集まったんだから、ダイジョブなんじゃなかったの・・・?」

律 「そのはずなんだけどな」

和 「・・・部として認められてないのに、音楽室を勝手に使ってて良かったのかしら」

律 「い、今まで何も言われなかったから、大丈夫だよ!・・・・きっと」

律 「それより!どういう理由なのか聞きに行かないとな!」

澪 「そうだな。納得のいく答えがもらえない時には、抗議してやらないと・・・!」

律 「よし、ここは部長の私と・・・ 和!いっしょに来てくれ!」

和 「分かったわ」

115 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/21(月) 13:09:30.98 ID:W7MU/L9j0
とことこ

律 「しかし、これって一体どういうことだよ・・・!」

和 「律、そんなにカッカしないで。生徒会室に行けば、理由も分かるから」

律 「そりゃそうだけど、だけどさぁ・・・」

和 「?」

律 「人前で声を出すのに慣れてない唯がさ、あんな一生懸命がんばってるってのに」

律 「そんな前向きな気持ちに水を差されて、それでまた唯の心が蓋で閉ざされたらって思うと、私・・・」

和 「律・・・」

和 「ありがと、律。唯のことを本気で考えてくれてるのね」

律 「友達なんだ、当たり前だろ」

116 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/21(月) 13:11:50.14 ID:W7MU/L9j0
和 「でも大丈夫。今の唯は、そんなにやわじゃないわよ」

律 「そんなの分からないだろ。心なんてデリケートなもの、何がきっかけで崩れちゃうかなんてさ」

和 「そうだけど。でもね、平気なのよ。今の唯は」

律 「なんでだよ・・・」

和 「それは私の口からはちょっと、ね。機会があったら本人から聞いてちょうだい」

律 「いじわるめ」

和 「知らなかった?こう見えてね、私はけっこう意地悪なのよ」


それはね、律が唯の側にいてくれているから。

なんてことは、私の口からは言ってあげない。

117 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/21(月) 13:15:30.39 ID:W7MU/L9j0
生徒会室!!


和 「さて、ついたわね」

律 「相手は海千山千の役員どもだ。気圧されるなよ」

和 「もちろん」

律 「じゃあ、開けるぞ!」

がちゃっ!

和 「ごめん下さい!」

律 「部長はワタシッ!!」

曽我部 「・・・・・・へ?」

118 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/21(月) 13:20:05.55 ID:W7MU/L9j0
・・・・・・

・・・・・・


曽我部 「そう、正式な部じゃないって先生に言われちゃったのね」

和 「はい。部活動の申請と許可は生徒会を通して学校側に通されるでしょう?」

曽我部 「そうね」

和 「なので、なぜ軽音部が部として認められていないのか。ここに来れば分かると思いまして」

律 「ふむ・・・ ちょっと待ってね」

ぺらぺら

律 「それ、何です?」

曽我部 「桜高の全部活リスト。一応申請が出されたものに関しては、全て記録されているはずなんだけど・・・」

曽我部 「やっぱり無いわね。軽音部」

律 「無いって・・・ それ、そういうことですか」


119 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/21(月) 13:27:26.33 ID:W7MU/L9j0
曽我部 「部活申請用紙、ちゃんと提出した?」

和 「そんなの当然じゃないですか」

曽我部 「おかしいわね。提出された申請用紙もまとめて綴られてるんだけど、軽音部のはやっぱり無いのよ」

律 「・・・・・あ」

曽我部 「一応聞くけど、用紙の出し忘れってことは無いのかしら?」

和 「そんな。申請用紙なんて一番最初に提出するものですし、忘れるなんて事・・・」

和 「・・・・律?」

律 「・・・・」

和 「まさか・・・?」

律 「え・・・えへ♪」

120 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/21(月) 13:29:39.63 ID:W7MU/L9j0
律 「ごめんなさいっ!!」どげざっ!!

和 「ちょ・・・ 律、頭を上げて」

曽我部 「そうよ、土下座はよくないわ」

律 「だけど!私の不注意で軽音部のみんなには不安な思いをさせてしまったし・・・」

律 「生徒会の人を疑うようなことをしちゃったりもしたし、もう何と謝ったら良いのか」

曽我部 「まぁまぁ。仲間内のことはそっちで解決してもらうとして、私のことならもう良いわよ」

律 「怒ってないので・・?」

曽我部 「土下座までされちゃ、怒る気にもなれないわよ」

律 「いやはや、なんとも・・・・」

和 「私も生徒会のほうに原因があると、一方的に決めてかかっていました」

和 「曽我部先輩、すみませんでした」

曽我部 「え?」

121 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/21(月) 13:35:58.35 ID:W7MU/L9j0
曽我部 「あなた、私の名前を知って・・・?」

和 「あ、はい」

曽我部 「どうして?そんなに下級生に名が売れてるとも思えないんだけど」

和 「えっと・・・ 一応。生徒会の主だった人の名前は覚えていますので・・・」

曽我部 「へぇ?何はともあれ、それは光栄ね。じゃ、私にもあなたの名前を聞かせてもらえるかしら?」

和 「はい、真鍋です。真鍋 和」

曽我部 「真鍋さんね。これも何かの縁、あなたの名前は覚えておくわね」

和 「ありがとうございます」

122 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/21(月) 13:39:22.02 ID:W7MU/L9j0
曽我部 「よし・・・ これで良いわ」

曽我部 「これで軽音部は正式な部として認められたわ。ステージの使用申請も、問題なく受理されるはずよ」

律 「あ、ありがとうございますうううっ!このご恩は一生忘れませんんっ!」

曽我部 「面白い子ね、田井中さんって」

和「彼女なりの、罪悪感と責任感の現われなんです」

曽我部 「あらあら」

和 「曽我部先輩、なにから何までやっていただいて、本当にありがとうございました」

曽我部 「良いのよ。それと、これ」(ぴらっ)

和 「これは?」

曽我部 「顧問の承諾書。これに顧問の先生の印鑑をもらってきてちょうだい。それで万事解決よ」

律・和「え」

123 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/21(月) 13:52:15.51 ID:W7MU/L9j0
曽我部 「えって・・・ え?」

律・和 「いやあの・・・ え?顧問?」

曽我部 「・・・まさか」

律 「あ、あはは・・・ 忘れて・・・た。そういや必要ですよね、部活に顧問って・・・」

和 「自分に愕然だわ。なぜこんな基本的なことに、今まで気がつかなかったのかしら・・・」

曽我部 「あなたたち・・・」

律 「てへ・・・」

和 「あは・・・」

曽我部 「はは・・は・・」

ははははははは・・・

生徒会室にしばし響く、私たちの乾いた笑い。

124 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/21(月) 14:00:58.68 ID:W7MU/L9j0
和 「とりあえず、この用紙は頂いていきます」

曽我部 「これから顧問を探すつもり?」

和 「はい。諦めるわけにはいかないので」

曽我部 「そう。でも急いだほうが良いわ。学祭で講堂のステージはあらゆる部が使用するのだし」

曽我部 「割り振りの都合上、もうそんなに時間は残されていないのよ」

律 「これは、本格的にやばい雲行きになってきたな」

和 「・・・・平気。私にちょっと心当たりがあるの」

律 「ほう」

和 「ではこれで。書類うめたら、またすぐ来ます」

曽我部 「はい。がんばってね」


125 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/21(月) 14:04:36.55 ID:W7MU/L9j0
廊下!!


律 「ほんとゴメンなぁ・・・」

和 「もう良いわよ。いつまでも、律らしくない」

律 「そうかもしれないけど、さっきかっこいい事を言った手前、どうにも・・・さ」

和 「まぁ、分かるけど。けど、律が唯のことを本気で考えてくれてるのは変わらないのだし」

和 「それに顧問の件はね。律だけじゃなくて、部のみんなが迂闊だったわけだから」

和 「だから、あまり気に病むことはないわよ」

律 「和、良いやつだなぁ・・・」

和 「律ほどじゃないわよ」

律 「・・・むぅ」

126 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/21(月) 14:08:38.06 ID:W7MU/L9j0
律 「それはそうと、和。あの先輩のこと、知ってたんだな」

和 「ええ。律には言ったかしら。私、一時期生徒会に入りたかったことがあってね」

和 「だからかな。生徒会の人のこと、自然と目で追っちゃうのよ」

律 「そうなんだ。私はまたてっきり・・・」

和 「・・・・」

律 「あ、いや。それで。顧問の心当たりって言うのは?」

和 「ふふ・・・ねぇ律。あなた、音楽室の書架に古い卒業アルバムがあったの知ってる?」

律 「ああ、昔の卒業生が記念においていったやつな。パラパラめくってみたことはあるけど・・・」

和 「で。それがここにあるわけだけど」(てってれー)

律 「なんで持ち歩いてるんだよ!」

127 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/21(月) 14:14:01.12 ID:W7MU/L9j0
和 「いざというときに役に立ちそうだったからね」

律 「なんでさ?」

和 「それはね、ほらここ。軽音部のページを見て」

律 「・・・なんど見ても凄いな。ロックって言うか、パンクだろこれ」

和 「でね、この真ん中のギターの人。よく見てみて?」

律 「え? ・・・んー」

和 「何か気がつかない?」

律 「・・・・・・あれ?この人、どっかで・・・」

律 「あ」

和 にやり

128 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/21(月) 14:17:19.17 ID:W7MU/L9j0
職員室!!


律 「というわけで、顧問になって欲しくて来ました!」

さわ子 「来ました!って、元気に言われてもねぇ・・・ まだ顧問いなかったんだ」

和 「お願いします。先生しか頼める人がいないんです」

さわ子 「ごめんなさい。なってあげたいのは山々だけど・・・」

さわ子 「真鍋さんには言ったことがあると思うけど、私は吹奏楽部の顧問をしているから。かけもちはちょっと・・・」

律 「そんなぁ・・・」

さわ子 「ごめんなさいね・・・」

律 「いてもらうだけで良いんです!ここに名前書いて、はんこ押すだけ!簡単でしょー!?」

さわ子 「ちょ、ちょっと・・・」


129 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/21(月) 14:21:43.86 ID:W7MU/L9j0
さわ子 「無理なものは無理です!」

律 「どうしても?」

さわ子 「ごめんね」

律 「そうか・・・ できればこの手は使いたくはなかったんだけど」

さわ子 「え?」

和 「致し方ないわね。先生を脅迫するなんて、非常に心苦しいのだけど」

ごそごそ

和 「私たちも手段を選んではいられないので」

てってれー

さわ子 「そ、その卒業アルバムは!?」

和 「ふっふっふ」

130 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/21(月) 14:30:01.25 ID:W7MU/L9j0
和 「このページのこの人、山中先生ですよね?」

さわ子 「そ、その禁断の書を、一体どこで!?」

和 「部室にありました」

さわ子 「ま、まさか最後の一冊が学校に保管されていたなんて・・・・!!」

和 「やはりこのアルバム、先生にとっての黒歴史だったようですね」

律 「綺麗な顔立ちと柔らかな物腰で、生徒はおろか教師の間でも人気が高い。そんな山中先生のかつての姿がこれ・・・」

律 「そりゃ、誰にも知られたくないわなぁ~」ケラケラ

さわ子 「よこしなさい!」ひゅっ

和 「おっと!」ひょいっ

さわ子 「ちいっ!」ひゅひゅっ

和 「ぬるいぬるい!」ひょひょいっ

律 「おお、普段から唯の逃げ足に鍛えられてるだけあって、和もなかなかのフットワーク!」


131 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします sage New! 2011/03/21(月) 14:38:08.88 ID:OdGqyeILP
補完来ると思わなかったから嬉しい

132 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/21(月) 14:40:02.62 ID:W7MU/L9j0
和 「というわけで。ばらされたくなかったら顧問をやってください」

さわ子 「分かったわ。負け。私の負けです。さっきも言ったけど掛け持ちですからね。つきっきりにはなれないわよ」

和 「はい。それで構いません」

律 「やったー!じゃ早速、これにはんこちょーだい♪」

さわ子 「はいはい。・・・・と、これで良い?」

和 「確かに。じゃ、律。書類は私が生徒会室に持っていくから」

律 「頼んだ!私はこのこと、みんなに伝えに戻るぜ!」

律 「そんじゃこれからよろしく、さわちゃん!」

さわ子 「さ、さわちゃん!?」

133 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/21(月) 14:42:18.48 ID:W7MU/L9j0
>>131

ありがとう。
最初にも書いたけど、ノンビリ進行なんで気長に付き合ってください。


さわ子 (ぐったり)「はぁ・・・ 他の先生が側にいなかったのだけが、せめてもの救いね」

さわ子 「・・・あなたは行かないの?」

和 「行きます。でも、その前に・・・・」

がばっ!

さわ子 「な、なぁに?いきなり頭なんか下げて!」

和 「先生を脅迫するような真似をして、すみませんでした」

さわ子 「・・・真鍋さん」

和 「先生には感謝しているんです。あの時の私に進む道の指針を与えてくれて」

和 「おかげで私は唯と同じ部活に入る決心がつき、その結果、いま一緒だった律をはじめ・・・」

和 「すばらしい友達とも出会えることができたんです」



134 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/21(月) 14:51:42.17 ID:W7MU/L9j0
さわ子 「・・・そう。よかったわ、そんな風に思ってくれていて」

和 「唯、みんなと出会えて少しずつ明るさを取り戻していって・・・」

和 「そんな唯が今、桜高祭のライブに向けて本当にがんばっているんです」

和 「だから、顧問がいなくてステージに立てないなんて。唯の頑張りが無駄になっちゃうなんて、そんな事にはしたくないんです」

さわ子 「うん・・・」

和 「それに山中先生なら良い顧問になってくれると思ったから。だから強引に。すみませんでした・・・」

さわ子 「もう良いわよ。怒るに怒れなくなっちゃったじゃない」

和 「・・・はい」

さわ子 「それじゃ、あとで軽音部に顔を出します。みんながどんな演奏を聴かせてくれるのか、確かめに行かなきゃね」

和 「先生」

さわ子 「顧問の初仕事よ。あなた達も気合入れて聴かせなさい。さ、まずは書類。もってっちゃいなさい」

和 「はい!ありがとうございました!」

135 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/21(月) 14:56:57.15 ID:W7MU/L9j0
再び生徒会室!!


曽我部 「え、もう顧問を見つけてきたの?」

和 「はい。掛け持ちですけど、山中先生に承諾を頂いてきました」

曽我部 「へぇ、あの山中先生がねぇ。ちょっと意外だわ。じゃ、書類を貰えるかしら?」

和 「お願いします」

曽我部 「・・・はい。後はこれを学校に提出して、手続き終了ね」

曽我部 「ステージの使用申請も、その時いっしょにやっておいてあげるわ」

和 「すみません。なにからなにまで」

曽我部 「良いのよ。ついでだし、生徒会の仕事でもあるしね」

和 「生徒会の・・・ 仕事・・・」

曽我部 「ん?」

136 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/21(月) 15:06:12.58 ID:W7MU/L9j0
和 「凄いですね、曽我部先輩って」

曽我部 「なにが?」

和 「手際が良いというか、何でも分かっている感じ」

曽我部 「私、生徒会は二年目だしね。こんなの慣れよ慣れ」

和 「聞いても良いですか?」

曽我部 「なにかしら」

和 「曽我部先輩は、どうして生徒会に入ろうと思ったんですか?」

曽我部 「唐突ね」

和 「すみません。でも、興味があって」

137 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/21(月) 15:16:54.72 ID:W7MU/L9j0
曽我部 「そうねぇ・・・ 理由はいろいろあるんだけど・・・」

曽我部 「やっぱり一番は、物事を良い方向に変えていける醍醐味を味わえるから・・・かな」

和 「・・・・」

曽我部 「みんなの”こういう学校であって欲しい”という意見を集約して、それを形にする」

曽我部 「それによって、みんなの学生生活がより良く改善されていく。生徒会でなければ出来ないことだわ」

和 「つまり・・・生徒による自治に意義を見出しているっていう事ですか?」

曽我部 「まぁ、しょせん私たちは子供だからね」

曽我部 「こんなの、大人の掌の上での”なんちゃって自治”だっていうのは、十分分かっているんだけれどね」

138 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/21(月) 15:22:18.22 ID:W7MU/L9j0
曽我部 「それでも、生徒会には微力でも学校を良くしていける力がある」

和 「学校を良く・・・」

曽我部 「縁の下の力持ちって言うのかな?私たちの活動でさ。みんなの学生生活が少しでも素晴らしい物になるのなら」

曽我部 「最高じゃない!」

和 「・・・・!」

曽我部 「・・・・真鍋さん?」

和 「あ・・・いや」

曽我部 「ごめんね、語りすぎちゃった。ちょっと引いちゃった?」

和 「そんな事・・・ あの、先輩の考え、とても素晴らしいと思います」

曽我部 「そう? ありがと」

139 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/21(月) 15:25:59.49 ID:W7MU/L9j0
和 「それじゃ、わたしはこれで。色々ありがとうございました」

曽我部 「ううん。じゃあね」

和 「失礼しまs
曽我部 「あ、そうそう」

曽我部 「こうしてせっかく知り合えたんだから、また遊びにいらっしゃいね」

和 「・・・はい!」

143 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) sage New! 2011/03/22(火) 00:09:15.47 ID:Og337ubwo
唯律フラグ?は回収されるだろうか

145 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) sage New! 2011/03/22(火) 08:06:09.00 ID:5fNxK2HKo
なんか一言一言が綺麗ですね
続き楽しみにして待す

147 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/22(火) 11:39:43.52 ID:/wZg9Cws0
再開します。
唯律フラグ、今回での回収はありません。申し訳ない・・・
とりあえず続きをば・・・


軽音部!!


律 「と、いうわけでー・・・・」

律 「我らが軽音部の救世主!クールビューティー・ミスさわ子に盛大な拍手をー・・・・!!」

ぱちぱちぱち!!

さわ子 「なんなの、このノリ」

律 「さぁさぁ、さわちゃん!一番良い席に座って。上座上座♪ムギ!上等のお茶でおもてなししてくれ!」

紬 「あいあいさー♪」

さわ子 「ちょっと・・・」

澪 「山中先生、感激です!生徒の憧れ、あの山中先生が私たちの顧問になってくれるなんて」

さわ子 「あ、あはは・・・」

律 「まぁ憧れと言っても、本当の姿はアルバムの通りなんだけどな」

さわ子 「けっきょくバラしてんじゃないのよ!」

唯 「ありがとうございます、山中先生!」ニッコー

さわ子 「もう好きにして・・・」



148 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/22(火) 11:43:51.04 ID:/wZg9Cws0
ずず・・・


さわ子 「ふぅ。お茶、ご馳走様。じゃ、早速だけど、みんなの演奏を聴かせてくれるかしら」

和 「はい。みんな、やろう」

澪 「ああ。それじゃ、先生。ここにいるムギが作曲して」

紬 ぺこり

澪 「私が作詞した曲 ふわふわ時間 を聴いてください」


いよいよだわ。ここで無様な姿はさらせない。

強引に引っ張ってきた山中先生のためにも、軽音部のこれからのためにも。

全力で、今もてる力を全て発揮して、最高の歌を唄うんだ・・・!


律 「じゃ、いくぞー!ワン・ツー!」


失敗は許されない・・・

149 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/22(火) 11:49:01.25 ID:/wZg9Cws0
前奏が始まった。

軽快なリズムの合わせて、私の身体も自然とリズムを刻む。

心地良い曲の流れに身を任せ、みんなの演奏と私の一体感を得る。

良い感じだ・・・!

前奏が終わりに近づき、いよいよ歌い出しが間近に迫る。

あとはいつもの練習通りに歌うだけ。私は口を開いた。

と、その途端に感じる違和感。同時に早鐘を打つかのように、心臓の鼓動がペースを上げだす。

・・・え、なにこれ?


和「っ君を見てると いつもハートどどきどききっ」


唯・律・澪・紬 「・・・・え?」


150 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/22(火) 11:54:07.23 ID:/wZg9Cws0
しーん・・・

和 「み、みんな、ごめんなさい。かんじゃった」

律 「あはは。なんだよ、和らしくない」

まったくだ。我ながら、私らしくない凡ミス。

・・・・しっかりしなくちゃ。

情けない歌を聴かせて山中先生に呆れられちゃったら、顧問の話も立ち消えになっちゃうかもしれない。

そんなことにさせてはいけない。頑張らなくちゃ。

頑張らなくちゃ・・・ でも、さっきのはいったい・・・

ううん、気にしちゃいられない。とにかくもう一回。次はきっと上手くいく。

和 「もう平気。もう一回、よろしく!」


ちゃかちゃかちゃん♪ちゃかちゃかちゃか♪ちゃかちゃかちゃん♪

和 「君をみ・・・あぐ・・・ぅ」


律 「ちょ、ストップ・・・」

151 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/22(火) 11:58:04.80 ID:/wZg9Cws0
唯 「どうしちゃったの、和ちゃん?」

紬 「喉の調子でも悪いのかしら?」

唯 「それだったら、無理しないほうが良いよ!」

和 「や、違う。喉は全然なんとも・・・ んっ、んっ、おかしいな・・・・」

澪 「もしかして、先生が見てるんで緊張しちゃったのか?」

和 「・・・・あ」

そうか、そういうことだったのか・・・

律 「ますます、らしくないな。リラックスしてもう一回! 最初っからいってみようぜ!」

和 「・・・・ええ。ごめんね」


152 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/22(火) 12:00:46.65 ID:/wZg9Cws0
20分後・・・


律 「・・・・」

澪 「・・・・」

紬 「・・・・」

唯 「・・・和ちゃん」

和 「ごめんね、みんな。だけど、そんな哀れんだ目で私を見ないで」

律 「いや。つーかさ、本当にどうしたんだ?」

和 「澪がさっき言った通りだと思うわ・・・」

紬 「緊張しちゃって、声が出なかったの?」

唯 「え、でもでも。今まで練習のときは、あんなにちゃんと歌えてたのに・・・」

和 「だからそれも・・・ 澪がさっき言った通りに・・・」

さわ子 「私がいたから?」


153 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/22(火) 12:06:26.80 ID:/wZg9Cws0
律 「つまり、私ら以外の第三者がいたから、緊張して声が出なかった・・・と?」

和 「おそらく」

澪 「え?だけど第三者といっても、山中先生ひとりだけだぞ」

和 「人数の問題じゃないみたい」

紬 「どうしよう・・・ それじゃもっとたくさんの観客が見に来るライブなんか、とても・・・」

和 「本番前に気がついてよかったわ」

唯 「冷静に分析してる場合じゃないよ!」

和 「そうよ!ど、どうしよう、唯ーーーーー!」

さわ子 「だからって、取り乱さない」

和 「そうですね」

154 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/22(火) 12:13:18.29 ID:/wZg9Cws0
初心者なりに練習もがんばってきた。

みんなの足を引っ張りたくなくて、私なりに懸命に。

なにより、唯に笑顔を取り戻させてくれた場所を私も大切に思っているから。

だから、大切な場所と大切なみんなのために。

なのに・・・

和 「どうしよう・・・ このままじゃ私、みんなに迷惑をかけてしまう」

律 「迷惑とかさ、そんな風には考えなくても良いけど。ただ、な」

澪 「この現状、どう打開するかが問題だな」

紬 「うーん・・・」

和 「ほんと・・・ ほんと、ごめんなさい・・・」

唯 「・・・・」

155 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/22(火) 12:17:42.91 ID:/wZg9Cws0
唯 「今日はいったん練習はお開きにしようよ」

律 「唯?」

唯 「和ちゃんも、気分を落ち着ける時間があった方が良いよね」

和 「ええ・・・」

律 「そうだな。時間を置いたらスンナリ事が運ぶって場合も、けっこうあるもんな」

紬 「そうね、それじゃお茶を煎れるわ!まずは一息つきましょう。ね?」

和 「え、ええ・・・」

唯 「和ちゃん・・・」

さわ子 (ふむ・・・)


156 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/22(火) 12:20:57.33 ID:/wZg9Cws0
解散後 職員室!!


唯 「山中先生・・・」

さわ子 「あら、平沢さん? みんなと帰ったんじゃなかったの?」

唯 「あ、はい。ちょっと用事があるって言って、抜けてみました」

さわ子 「そう。で、その用事って私に?」

唯 「はい・・・ あの、今日はごめんなさい」

さわ子 「なにがかしら」

唯 「せっかく来てくれたのに、顧問にもなってもらったのに、演奏を聞かせられなくって・・・」

さわ子 「ま、仕方がないわよ。今日はダメでも、次にきちんと歌えれば問題ないじゃない」

唯 「はい・・・」

157 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/22(火) 12:23:45.71 ID:/wZg9Cws0
さわ子 「真鍋さんは?」

唯 「一人になりたいって。たぶん教室に・・・」

さわ子 「そっか」

唯 「先生。私、和ちゃんから聞きました」

さわ子 「ん?」

唯 「一番最初。私が部活を始めるのに二の足を踏んでいるとき、山中先生が親身になってくれたって」

唯 「おかげで私、軽音部に入れて。あんなに良い人たちとも知り合えて・・・ だから」

唯 「本当にありがとう。山中先生・・・」

さわ子 「・・・良いのよ」

158 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/22(火) 12:30:03.49 ID:/wZg9Cws0
さわ子 「私は廃部寸前で、部員が喉から手が出るほど欲しかった軽音部と・・・」

さわ子 「そしてあなた達との橋渡しをしただけ。だから、ね?」

唯 「・・・」

さわ子 「そこで良い友達と巡り合えたというのなら、それはあなた自身の力」

さわ子 「あなたが良い人だから、周りの良い人も惹き付けられた。ただそれだけの話よ」

唯 「先生・・・」

さわ子 「感謝してくれるのは嬉しいけど、それよりも自分を誇りなさい」

唯 「・・・はい」


159 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/22(火) 12:32:49.79 ID:/wZg9Cws0
唯 「でも、それでも。先生と、あと和ちゃんにはいくらお礼を言っても足りないくらい」

唯 「特に和ちゃんには・・・ 和ちゃんがいたから、みんなとも、先生とも知り合えて・・・」

唯 「その和ちゃんが困ってて・・・ たぶん今、凄く落ち込んでて・・・」

さわ子 「そうね。かなりショックを受けてるようだったものね」

唯 「はい。だから、何か力になりたいなって。でも、私に何ができるのか。全然分からないんです」

さわ子 「ふむ。私は逆に分かって来ちゃったけど、ね」

唯 「わかっちゃいます?」

さわ子 「分かるわよ。つまり、真鍋さんを立ち直らせるために力を貸せと。そう言いたいのね」

唯 「さすが先生」

さわ子 「やっぱり長年の親友ってだけあるわね・・・ 考え方も似てること」

唯 「えへへ」

160 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/22(火) 12:36:26.31 ID:/wZg9Cws0
さわ子 「よし。乗りかけた船だ。最後まで舵取りしてやろうじゃないの!」

唯 「ありがとう、先生!」

さわ子 「たぁだし!」

唯 「!?」

さわ子 「これは真鍋さんの時にも言ったことだけど、自分で言い出したことなんだから投げっぱなしはダメ」

さわ子 「あなたにも協力してもらうわよ?」

唯 「ふ・・・・ふぇ?」

161 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/22(火) 12:39:21.65 ID:/wZg9Cws0
教室!!


唯 「あ、和ちゃん。やっぱりここにいた!」

和 「唯・・・ みんなと帰ったんじゃなかったの?」

唯 「ううん? 私はね、和ちゃんと一緒に帰るの」

和 「いや、今はちょっと一人に・・・」

唯 「でね、帰りにちょっと寄り道したいところがあるんだー」

和 「唯。人の話を聞いてる?」

唯 「さ、早くいこ!遅くなっちゃうよ」

和 「・・・はぁ。分かったわ。で、どこによって帰りたいの?」

唯 「えっへっへっへ・・・・」

和 「??」

162 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/22(火) 12:42:53.82 ID:/wZg9Cws0
カラオケ屋の前!!

和 「いや、カラオケって・・・」

唯 「和ちゃんとカラオケなんて、久しぶりだよね。中学の頃いらい?」

和 「そうね。その後は唯もカラオケどころじゃなかったし・・・て、そうじゃなくて!」

唯 「ん?」

和 「悪いんだけど、唯。とてもカラオケって気分じゃないのよ。だから・・・・」

唯 「話は中で聞くよー。さ、はいろはいろ」

和 「人の話を聞けー!」

唯 「あ、受付はしないで良いよー。先にやってもらってるから」

和 「やってもらってるって、誰が・・・」

和 「あ・・・ もしや・・・」

163 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/22(火) 12:49:15.60 ID:/wZg9Cws0
がちゃっ!

唯 「さわ子先生!お待たせー!!」

さわ子 「はい、待ってた待ってた♪ 先に2~3曲歌っちゃってたわよ」

和 「・・・やっぱり」

唯 「せっかちだなぁ。これからいくらでも、たくさん歌えるのに」

さわ子 「なに言ってるの。あんたたち待ってる間も料金はかかってるんだからね。ただボーっとしてるのも、もったいないじゃない」

唯 「それもそうかー」

アハハハハ

和 「ちょっと、談笑中に申し訳ないんですけれど・・・・」

さわ子・唯 「ん?」

和 「これは何事? そろそろ説明してくれても良いんじゃないかしら・・・」

さわ子 「何事って・・・ カラオケに来て、やることは一つじゃない」

唯 「歌うよ!」

164 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/22(火) 12:53:50.34 ID:/wZg9Cws0
和 「そうじゃなくって!」

さわ子 「ああ、飲み物ね!」

和 「へ??」

さわ子 「これはうっかり。飲み物ないと喉かわいちゃうものねぇ。唯ちゃん、メニューとって」

唯 「ほいきた」

さわ子 「んー、何にしようかなぁ。ほれ、あんた達も選びなさい」

唯 「・・・これ、美味しそう・・」

さわ子 「・・・カルーアミルクって、お酒じゃない。ダメです。そういうのは先生のいない時、こっそり飲みなさい」

唯 「ちぇー・・・」

さわ子 「固いことは言いたくはないけどね。目の前で飲酒なんかさせちゃ、私にも立場って物があるのよ」

唯 「ばれなきゃ平気なのにぃ・・・」

さわ子 「はいはい。おとなしくただのミルクでも飲んでなさいな」


168 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/23(水) 11:37:44.34 ID:OHae9ff50
さわ子 「それじゃ飲み物が来たら、さっそく歌うわよ!」

唯 「歌うぞー!」

和 「・・・・」

さわ子 「さぁさ、今のうちに歌を選んでおきなさい」

唯 「ねぇ、歌う順番はどうするの?」

和 「・・・・」

さわ子 「そうね。じゃんけんして、負けた人から時計回りで良いんじゃないかな」

唯 「うわ、一番目は嫌だなぁ。これは気合を入れて勝負をしないと・・・!」

和 「・・・・」

さわ子 「じゃ、決めちゃいましょう!じゃーんけん・・・ほいっ」グー

唯 「ほいっ!」パー

和 「・・・・・」パー

169 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/23(水) 11:42:36.71 ID:OHae9ff50
さわ子 「私からか。ふっふっふ、望むところよ。喉はもう暖まってるもの!歌い倒してやるわ!」

唯 「先生、私、和ちゃんの順番だね。二番手か、緊張するなぁ」

和 「・・・・」

唯 「どうしたの、和ちゃん。さっきからずっとダンマリしちゃって」

和 「どういうつもりなの?」

唯 「え・・・ なにが??」

和 「歌えないのよ!二人も部室で見てたでしょう?それをこんな無理やり!」

和 「なんなの、なんだってのよ!」

唯 「の、和ちゃん・・・」オロオロ

和 「ひどい・・・ 酷いよ・・・」

さわ子 「・・・・・」

170 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/23(水) 11:46:34.51 ID:OHae9ff50
さわ子 「なんかちょっと幻滅だわー・・・・」

和 「・・・・え」

さわ子 「嫌なことから逃げるようなこと、あなたはしない人だと思っていたんだけれどなぁ」

和 「逃げるなんて、私はただ・・・」

さわ子 「ライブまでそう日がないのよ。歌えないんだったら、急いで歌えるようにならないとまずいんじゃないの?」

さわ子 「そのライブでは、たくさんの知らない顔があなたの歌を聴きにくる」

和 「・・・・・」

さわ子 「それなのに、たった一人の私の前で歌えなくて、それでボーカルが務まるのかしら?」

唯 「あぅ、先生・・・それは言い過ぎ・・・」

さわ子 「そうかなぁ? 唯ちゃんの時は荒療治とかきついこと言っちゃってさ」

さわ子 「いざ自分の立場になったら、酷いとか無理やりとか弱音はいて、甘ったれてんじゃないわよ」

和 「・・・!!」

171 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/23(水) 11:52:50.69 ID:OHae9ff50
唯 「先生!」

さわ子 「なぁに?」

唯 「そこまで言わなくても・・・ そんなに言ったら和ちゃん・・・」

さわ子 「平気平気。彼女みたいなタイプはね・・・」

和 「・・・・・・わよ」

唯 「へ?」

和 「やってやるわよ!歌ってやろうじゃない!」

唯 「の、和ちゃん・・・」

和 「唯、なに歌うか決めたの!?後がつかえてるんだから、早く決めてね!」

唯 「は、はいっ!」

さわ子 「と、まぁ。こーなるわけよ」

172 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/23(水) 11:56:27.61 ID:OHae9ff50
さわ子 「さ、飲み物も来たし、歌うわよ!まずは私から。手拍子よろしく!」


じゃんじゃんじゃかじゃん♪


唯 「わ、なにこれ、メタル?!」

さわ子 「・・・・すぅっ」

さわ子 「わあああぁぁあああああ!!!」

唯・和 「!!??」

さわ子 「おいはあああふぁええええええええっ!!!!」

さわ子 「おいっ!おいっ!おいっ!ふぁでぇええええええっ!!!!!」

さわ子 「んああああああああああいいいいいいいいいっ!!!!!!」

和 「・・・・・・・こ、これ何語?」

唯 「こ、怖いよ和ちゃんー・・・・」

173 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/23(水) 12:01:33.70 ID:OHae9ff50
じゃーーーーんっ♪ 


さわ子 「せぇんきゅーっ!」

唯・和 「・・・・・」

さわ子 「ん?どうしたの? 鳩が豆鉄砲でも喰らったみたいな顔で」

和 「豆鉄砲のほうが、いくらかましです。見てください・・・」

唯 がくがくがくがく

和 「唯がすっかり怯えてしまいました」

唯 「うう・・・・ ひっくひっく」

さわ子 「なにも泣く事はないじゃない・・・」

唯 「だって、普段とのギャップがあまりに激しすぎるから・・・ 食われちゃうかと思った・・・」

さわ子 「食べません!」

174 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/23(水) 12:05:24.52 ID:OHae9ff50
さわ子 「だって、あなた達には私の前歴、ばれちゃってるでしょ? だったら猫かぶる意味ないしね」

さわ子 「せいぜい歌いたい歌を唄わせてもらうわよ。おしとやかキャラってのも、けっこう肩がこるのよね」

和 「律・・・ ぜんぜんクールビューティーじゃないわよ、この先生・・・」

さわ子 「ん、なに?」

和 「いえ、独り言です」

さわ子 「そ。ま、ね。どうせ歌うなら、好きな歌を楽しく歌うほうが、内面的にも健康的で良いと思わない?」

和 「それは・・・ そうです」

さわ子 「ね。じゃ次。唯ちゃんね」

唯 「まだ震えが止まらないけど・・・・ が、ガンバル」

さわ子 「そんなに?そんなにか?」

175 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/23(水) 12:16:03.55 ID:OHae9ff50
~~~~~♪

唯 「あ、始まった。じゃ、いきまーす♪」

和 (唯、きちんと歌えるかしら・・・ 唯だって、軽音部のみんなの前以外で歌うのって、初めてだろうし)

和 (部活でだって、歌はあくまで私がメインだったから・・・ 大丈夫かな)


唯 「校庭に夕陽が落ちて~ 手を振って家に帰る~♪」


和 「・・・・あ」


唯 「ベッドの中でまた今夜~ 今日の君に逢えたら良いな~♪」


和 (唯が・・・ 先生の前で歌っている・・・)


唯 「行こう 眠ろう 朝まで待てない~♪」


和 (あんなにのびのびと、楽しそうに・・・)

和 (笑顔で)


176 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/23(水) 12:20:35.50 ID:OHae9ff50
唯 「夢色の恋~♪」


~~~~~ちゃん♪


唯 「お粗末さまでした!」

さわ子 「いやー、良かったわ!先生、感動しちゃった!」

唯 「え、そ、そうかな。えへへ、ありがとうございます」

さわ子 「上手だし、良い声してるじゃない。なにより、楽しそうに歌ってるのが、聞いてて心地好かったわ」

さわ子 「ね、和ちゃん」

和 「ええ・・・」

さわ子 (いい具合に触発されてくれたかしらね)

唯 「和ちゃん、また豆が鳩を食べちゃったみたいな顔になってるよ?」

さわ子 「唯ちゃん、それ違うわよ・・・」

177 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/23(水) 12:25:52.52 ID:OHae9ff50
さわ子 「さて、いよいよ和ちゃんの番となったわけだけど」

唯 「歌、もう予約した?」

和 「ええ・・・ ま、頑張ってみるわ」


~~~♪


唯 「始まった!」

和 「ごきゅり・・」

さわ子 「・・・・・」

和 (う・・・ 二人の視線が・・・ こっちを注視している・・・)

和 (唯はともかく、山中先生の目線が・・・ う・・・・)

どきどきどきどきどきどきどき・・・・・

また胸の鼓動が・・・ それに釣られたのか、心なしか呼吸まで苦しくなってきた気がする。

もう、鼓動!!

和 「あ・・・・・ う・・・・」

静まれ、鼓動!!

178 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/23(水) 12:33:11.21 ID:OHae9ff50
和 「は・・・・ぅ・・・ くぅ・・・・」

喉に異物が詰まっているよう。

まともに声が出せない。苦しい・・・

もっと頑張らなきゃ。しっかりしなくちゃいけないのに。

歌うって、さっき決めたのに・・・ なんで・・・

どきどきどきどきどきどきどき・・・・・


さわ子 (演奏中止)ぴっ


和 「え・・・・?」

唯 「さわ子先生・・・」


179 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/23(水) 12:37:56.52 ID:OHae9ff50
さわ子 「ごめんね、大事なことを忘れてたわ」

唯・和 「・・・・???」

さわ子 「タンバリン!」

唯 「ふぇ?」

さわ子 「あれがあると盛り上がるのよねー。なのに、借りてくるのを忘れちゃったのよ!」

和 「は、はぁ・・・」

さわ子 「てことで、和ちゃんの歌はタンバリンが来てからね。で、唯ちゃん」

さわ子 「悪いんだけど、受け付け行って借りてきてくれる?」

唯 「え、でも・・・」

さわ子 「ね、お願い」

唯 「・・・・あ。う、うん、わかったよ」

唯 「和ちゃん、ちょっと行ってくるね」

とことことこ がちゃっ


180 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/23(水) 12:47:43.89 ID:OHae9ff50
さわ子 「さて・・・」

和 「不甲斐ないですよね・・・」

さわ子 「うん?」

和 「さっき大見得を切ったのに、けっきょく歌えないんですから」

和 「唯も・・・ あの唯だって、あんなに堂々と先生の前で歌えてたのに。なのに私は・・・」

さわ子 「唯ちゃん、楽しそうに歌ってたわねぇ。良い笑顔だった。ああいう子なのね、本来の彼女は」

和 「・・・はい」

さわ子 「あなたと、そして軽音部のみんな。4人で唯ちゃんに”楽しい”って気持ちを取り戻させたのね」

さわ子 「彼女の笑顔を見てると、前に和ちゃんが言ってた言葉・・・」

さわ子 「唯ちゃんは自然とみんなの中心にいる、そんな子だったって意味。わかるような気がするわ」

和 「・・・・」

181 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/23(水) 12:53:57.36 ID:OHae9ff50
さわ子 「さて、それに転じてだけど。和ちゃん」

和 「はい」

さわ子 「あなたは楽しめてる?」

和 「え・・・?」

さわ子 「軽音部での活動、唯ちゃんほどに楽しめているのかなって」

和 「楽しんでます。みんな良い人ばかりだし、あの中にいると時間の経つのも早くって・・・」

さわ子 「みんなとのコミュニケーションは、まぁそうでしょうね。今日、和ちゃんと田井中・・・りっちゃんか」

さわ子 「りっちゃんとのやり取りを見ていたら、それは良く伝わってきたもの」

和 「律には本当、感謝してもし足りないくらいで。だから私、彼女に報いるためにも頑張らなきゃいけないのに・・・」

さわ子 「ふむ・・・」

182 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/23(水) 12:58:49.38 ID:OHae9ff50
さわ子 「じゃあ、演奏は?」

和 「え・・・」

さわ子 「歌うとき。歌うときも楽しんでやってる?」

和 「えっと。どういう意味でしょう・・・」

さわ子 「私ねぇ、見てて思ったんだけど。和ちゃん、あなた責任って言葉にがんじがらめになってない?」

和 「・・・・・!」

和 「だ、だって! 軽音部にはこっちの都合で入ったんです。それに唯のことも、彼女は私が強引に軽音部に誘ったんです!」

和 「勝手をやった分は、責任を果たす義務があると思うから! だから私は・・・!」

さわ子 「分かった分かった。言ってることに間違いはないし、立派な心がけだとも思うわ」

さわ子 「でもね、ちょっとだけ軌道修正をしたほうが良い」

和 「意味、分からないです・・・」

183 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/23(水) 13:03:08.07 ID:OHae9ff50
さわ子 「じゃあ、分かるように言う。あなたも楽しみなさい」

さわ子 「責任を果たすことと楽しむことは対立しない。イーブンにもできるはず」

さわ子 「あなたの気持ち一つでね」

和 「私は楽しんでます!」

さわ子 「そうかしらね。私には責任感ばかりが前面に出て、あなたの感情が後ろに追いやられているようにしか見えないんだけど」

さわ子 「だから第三者である私の前で歌えなくなる。失敗して責任を果たせなくなるかもって言う恐怖のせいで」

和 「あ・・・・」

さわ子 「間違ってる?」

和 「先生、私・・・」

さわ子 「あのね、和ちゃん。私はあなたが凄いと思う」

和 「・・・」

184 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/23(水) 13:13:07.86 ID:OHae9ff50
さわ子 「友達のことを真剣に憂い、行動を起こし、責任の重要さも理解している」

さわ子 「私があなたくらいだった頃は、もっと何も考えてなかった。日々楽しむことだけで精一杯だったもの」

和 「私、凄くなんか・・・」

さわ子 「ううん、凄い。ただね、凄すぎる。もっとね、その年頃の女の子らしい楽しみ方もできるようになれたら」

さわ子 「ふふ、ちょっとだけね、グレードダウンしてくれたら、最終的にもっと凄くなれると思うんだ」

和 「凄く、なくなれってことですか?」

さわ子 「年齢以上に大人すぎなのね、和ちゃん。でもね、責任感で忙殺されるのは、本当の大人になってからで充分なのよ」

さわ子 「今は楽しむことを第一のモットーになさいな。そうすることでね」

さわ子 「責任感を楽しむ余裕を身に付けられたら、最強の大人になることができるわよ。無敵の大人に!」

和 「責任感を・・・ 楽しむ・・・!」


185 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/23(水) 13:20:27.45 ID:OHae9ff50
和 「先生も、そうなんですか? 責任感を楽しいと・・・?」

さわ子 「教師なんてねー。特にそう思わないとやってられないわよ」

さわ子 「やることたくさん。でも間違えば生徒の進路にも関わる。責任に比して少ない給料。オフも少ない・・・」

和 「う、うわー・・・」

さわ子 「でもね、頑張った分だけあなた達がね。楽しい高校生活を送り、笑顔で巣立っていってくれたら・・・」

さわ子 「頑張った甲斐があろうってもんじゃない。それがね私の責任で、また私の楽しみ」


そのとき不意に。さわ子先生の話を聞いていた私の頭の中に。

今日、生徒会室で聞いた曽我部先輩の声が蘇ってきた。


(縁の下の力持ちって言うのかな?私たちの活動でさ。みんなの学生生活が少しでも素晴らしい物になるのなら)

(最高じゃない!)


和 「・・・・あ」

186 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/23(水) 13:26:25.57 ID:OHae9ff50
さわ子 「和ちゃん?」

和 「あ、いえ。先生、ありがとうございます。なんか私、吹っ切れたような気がします。それで、あの・・・」

和 「とても共感できました」

さわ子 「そう? だったら嬉しいな。それで、そろそろ唯ちゃんが戻ってくる頃だろうと思うけど・・・」

和 「歌いますよ!」

さわ子 「うん、期待してるわ」

がちゃっ

唯 「ただいまー! はいこれ、さわ子先生。一つしか借りて来れなかったー」

さわ子 「一つあれば充分! さ、和ちゃん! その美声を遺憾なく発揮してちょうだい!」

和 「よぉし・・・」


188 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県) New! 2011/03/23(水) 13:55:51.46 ID:rFJ18P4u0
さわちゃんなんて素敵なババ・・・・・大人の女性なんだ
伊達に年くってるわけじゃないな

190 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) sage New! 2011/03/23(水) 22:57:52.58 ID:cMqS+840o
いっき読みした
面白いよ。律、さわ子無双だけど
次も期待

192 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/24(木) 00:51:55.22 ID:Ecyd/IL60
楽しむ・・・ 楽しむ・・・

今までの私は肩肘張りすぎていたのだろうか。

もっと気を楽に。先生の言うとおり、自分が楽しむことを動機の主体に添えても良いのだろうか。

・・・きっと、それが良いんだ。

「誰のためでもない。自分自身のために」なんてチープな言い回しは大っ嫌いだけど。

でも、自分が楽しむことで物事がスムーズに進み、それが皆のためにもなるのだったら・・・・

いちばん理想的なことじゃないだろうか。

そう思うと、まるで憑き物がおちたみたいに、心も身体も楽になった。

喉を覆っていた息苦しさも去り・・・


~~~♪


唯 「始まった! 和ちゃん、ファイト!」

和 「うん!」


和 「ぐっと来たよありがとうって言葉よりずっと~♪」


声は意外なほどすんなりと出た。

193 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/24(木) 00:55:04.06 ID:Ecyd/IL60
帰り道!!


唯 「歌いすぎちゃったね・・・」

和 「三人で四時間歌い続け。さすがにきつかったわね。喉が痛いわ」

唯 「ちょっと声、枯れちゃってるね」

和 「ふふ。でも、気持ちよかった」

唯 「・・・うん!」

和 「ありがとう、唯」

唯 「私は何も・・・」

和 「唯が先生に掛け合ってくれたんでしょ?」

唯 「ばれてたか」

和 「ふふ、今度は私が助けられちゃったわね。ていうか、唯にはずっと先に行かれちゃったような気がするわ」

唯 「そ、そんなことないよ」


194 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/24(木) 00:58:28.46 ID:Ecyd/IL60
和 「ねぇ、唯。ライブ、頑張ろうね。私はもう大丈夫だから」

唯 「うん、楽しみだね」

和 「そうね。それでね・・・」

唯 「なぁに?」

和 「私、二年生になったら軽音部を辞めようと思うの」

唯 「・・・そっか」

和 「このことはずっと・・・ 合宿が終わった頃から考えてたんだけど、踏ん切りがね、つかなかったのよ」

和 「それが今日、生徒会の先輩と、それと山中先生と話をしていて気持ちが固まったんだ」


和 「・・・私、生徒会に行くわね」


唯 「・・・うん」

和 「・・・・怒らないの? 唯」

唯 「どうして?」

和 「だって・・・ 唯を軽音部に誘ったのは私なのに。その私が途中で抜けるようなことをして」

和 「私としても、その。ちょっと後ろめたい気持ちもあるから。だからね・・・」


195 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/24(木) 01:02:42.50 ID:Ecyd/IL60
唯 「怒らないよ。けど、とっても寂しい」

和 「・・・うん」

唯 「でもね。和ちゃん、軽音部やみんなが嫌になって辞めるんじゃないもんね」

和 「当然よ。みんな、大好き」

唯 「うん、分かってる。だからね、和ちゃんはそれだけやりたい事があるんだって、その事も分かるんだ」

和 「唯・・・」

唯 「それに、もともと和ちゃん、生徒会やりたかったんだもんね。だからね、最初に戻るだけなんだよ」

和 「違うよ。ちょっと違う」

唯 「・・・・」

和 「軽音部ではね、たくさんのことを得たわ。それはこれからも、私の心の糧になり続ける。ずっと。死ぬまで・・・」

和 「だから、私は昔よりちょっとだけ一歩踏み出した場所から、生徒会のスタートを切ることができると思うの」


196 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/24(木) 01:05:29.32 ID:Ecyd/IL60
和 「軽音部に入って、本当に良かったわ」

唯 「和ちゃん・・・ 私も。和ちゃんと一緒にバンドできて、本当に楽しい!」

和 「唯・・・」

唯 「和ちゃん。私、応援してるからね」

和 「ありがとう、唯」

和 「・・・・・」

和 「まぁ、まだ先の話よ。まだ半年も先の。だからね、唯」

唯 「うん」

和 「これからもよろしく」

唯 「こちらこそ♪」

197 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/24(木) 01:16:11.79 ID:Ecyd/IL60
和 「それに私には、まだ見届けなきゃいけないことがあるからね」

唯 「・・・?」

和 「唯が律にちゃんと気持ちを打ち明けること」

唯 「えっ!」

和 「じゃないと安心して他所になんていけないわ」

唯 「む~~・・・ あ、だったらさ!」

唯 「私がずっとりっちゃんに告白しなかったら、和ちゃんはそのまま軽音部にいてくれるってことだよね」

和 「え、それって。ちょっと、唯・・・」

唯 「・・・・へへ。冗談。冗談だよ。和ちゃんを困らせるようなこと、しないもん」

和 「まったく・・・」

唯 「でも、やっぱり。和ちゃんと離れ離れになっちゃうのは、寂しいなぁ・・・」

和 「・・・・」


198 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/24(木) 01:19:35.14 ID:Ecyd/IL60
和 「離れ離れって言っても。別に転校するってわけではないんだし」

和 「放課後は別々になっちゃうけど、今までと何も変わらない」

和 「・・・・親友だよ。ずっと。これからも」

唯 「うん・・・」

和 「・・・・」

唯 「・・・・」

唯 「あ、あのさ」

和 「なぁに?」

唯 「手、つないでかえろ?」

和 「・・・・あは、子供みたい」

199 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/24(木) 01:23:50.79 ID:Ecyd/IL60
唯 「子供だもん」

和 「そうね、私たちは子供だわ。だから、ね」

ぎゅっ

和 「もっともっと、できることを楽しまないと、ね」

唯 「・・・? うん」

和 「・・・唯、大好きよ」

唯 「うん、私も和ちゃん大好き♪」

和 「・・・・」

唯 「・・・ん??」

和 「あ、いや・・・ ありがとう、唯」

200 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/24(木) 01:27:05.94 ID:Ecyd/IL60
翌日の放課後 軽音部!!


さわ子 「さーて、準備は良いかしら?」

和 「はいっ」

さわ子 「昨日お預け喰わせた分、今日は抜群の演奏を聴かせてくれなくちゃ嫌よ。そこのところ、分かってるわね?」

律 「重々承知してます! な、みんな!?」

澪 「ああ!」

紬 「ドントコイです!」

唯 「ガンバルよ!」

和 「うん!」

律 「・・・・よし、じゃ元気に行こうぜ! ワン・ツー!!」


201 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/24(木) 01:30:08.99 ID:Ecyd/IL60
~~~~♪


和 「キミを見てると いつもハートDOKI☆DOKI」


和 「揺れる想いはマシュマロみたいにふーわ☆ふわ」

和 「いつもがんばる」
唯 「いーつもがんばる」

和 「キミの横顔」
唯 「キーミの横顔」

和 「ずっと見てても気づかないよね」

和 「夢の中なら」
唯 「ゆーめの中なら」

和・唯 「二人の距離縮められるのにな」


~~~~♪ 

202 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/24(木) 01:33:02.30 ID:Ecyd/IL60
じゃ~~ん じゃかじゃんっ♪


さわ子 「・・・・・」

和 「はぁはぁ・・・・」

唯 「上手く・・・歌えたよね?」

澪 「ああ、たぶん」

紬 「演奏することで精一杯だったから・・・」

律 「さわちゃん、どうだった? 私たちの演奏!」

さわ子 「・・・うん」

(ごきゅっ)

さわ子 「良かったわ!」

わっ!!

203 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/24(木) 01:37:13.75 ID:Ecyd/IL60
唯 「和ちゃ~~~ん!!」ひしっ

和 「うわっ、唯。急に抱きついてきて・・・ 唯・・・?」

唯 「う・・・ぐすっ。ひっぐ・・・」

和 「・・・・唯」

律 「おーお、見事な本泣きだなぁ唯。どしたんだぁー?」

唯 「わがんないげど・・・ なんだか感ぎわばっちゃっで・・・ ずず」

澪 「唯、ハナでてるぞ。ほら」

唯 「あじがど、澪じゃん。ちーーーんっ」

紬 「でも、唯ちゃんが泣いちゃうのも分かる気がする。和ちゃん、頑張ったのね」

和 「私は、そんな・・・・」

唯 「そうだよ! 和ちゃんは頑張ったんだよ!!」

和 「ひっ!鼻水!唯、鼻水!飛んでくる飛んでくる!!」

びちゃっ

唯・和 「あ」

204 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/24(木) 01:41:19.56 ID:Ecyd/IL60
唯 「ごめんね和ちゃん・・・」ふきふき

和 「いいのよ。それより唯、ハナは最後まできちんとかもうね」

唯 「うんっ」

律 「お母さんか・・・」

紬 「くすくす」

和 「というような、ね」

澪 「え?」

和 「私ね、軽音部のこういう雰囲気が大好きなんだ。明るくて、みんなが親しい家族のような・・・」

和 「そんな軽音部をもっと楽しみたい。楽しんで良いんだ!、そう気づいたらね」

和 「声、出るようになっちゃった」えへっ

紬 「和ちゃん・・・」

澪 「和・・・」

205 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/24(木) 01:45:35.08 ID:Ecyd/IL60
律 「おいおい、唯に続いてお前らも涙目か? 感極まるの、ちょっと早いんじゃないの?」

澪 「とかいって、律もちょっとうるって来てるくせに」

律 「きてないやいっ! 感動のシーンはライブ後に取っておいたほうがいいんでないのって言ってんの!」

澪 「あーはいはい。でも、そうだな。なにせ」

唯 「本番まであと二日!だもんね!」

紬 「ええ!」

和 「今は自信あるもの。みんなの演奏と私の歌で、観客を総立ちにしてみせるわ!」

律 「大きく出たな!」

和 「任せてよ!」


わーっ!!!


さわ子 「ふ・・・ 私、存在を完全に忘れられてるわね」


206 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/24(木) 01:48:38.31 ID:Ecyd/IL60
ぱんぱんっ!

さわ子 「はいみんな、ちゅうもーく!」

唯 「あ、さわ子先生」

律 「そういや、いたんだよな」

さわ子 「・・・・自分らで呼んでおいて、この扱いかい! ・・・まぁ良いわ。これを見たら、もうそんな態度は取れなくなるわよ?」

澪 「な、何のことです?」

さわ子 「ふっふっふ。不本意ながらも軽音部の顧問になったことだし、何か手伝うことはないかーと思って!」

さわ子 「衣装作ってきましたぁーーー♪」じゃーん!!

律 「のりのりだぁ!!」

207 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/24(木) 01:53:21.90 ID:Ecyd/IL60
律 「や・・・先生、気持ちはありがたいんだけど・・・」

さわ子 「え?」

律 「ん・・・」(和を指差し)

和 「あんな服を着て歌うの・・・? あ、ありえない・・・」がたがた

さわ子 「これはお気に召さなかったか。じゃあ、私の昔の衣装はどぉお?」じゃじゃーん!!!

和 「いやいやいやむりむりむり!!」

さわ子 「・・・あのさぁ和ちゃん?」

和 「ひっ!?」

さわ子 「私さ、けっこう和ちゃんのお願い聞いてあげてた気がするんだけどなぁ。だったらぁ・・・」

和 「あ・・・あ・・・」

さわ子 「今度はこっちの欲求、満たしてくれてもいいんじゃないのかなぁーーぁ・・・」

和 「あぅぅうぅぅ」ぷるぷる

208 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/24(木) 01:57:59.36 ID:Ecyd/IL60
ばたーん!

澪 「あああ、和が倒れた!」

和 「ううーーーーー・・・・ん」ぱたっ

さわ子 「あ、あれ・・・?」

唯 「さわ子先生、荒療治すぎるよ・・・」

律 「これでまた和が歌えなくなったら、その衣装に身を包んでステージに出るのさわちゃんだから!」

さわ子 「ええええ?いやいやいやむりむりむり!!」

さわ子 「こんな恥ずかしい衣装でなんて、歌えないよ!」

律 「おい作者!」

紬 「あらあらうふふふ。これはゴスロリっていうのかしら?和ちゃんの赤ブチ眼鏡と相まって、舞台栄えしそうねー」

律 「そしてこっちもノリノリだ!」

209 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/24(木) 02:02:38.85 ID:Ecyd/IL60
和 「・・・・・」

冷たい木床の感触を背に受けながら、やっぱり好きだなと実感を新たにする。

軽音部のこのノリ、この雰囲気がたまらなく心地いい。大好き。

私も流れに身を任せて倒れてみたけど、わざとらしかったかしら?

周りに合わせての冗談なんて、今までの私のキャラじゃなかったけれど。

ここにいたら、みんなと一緒だから。私はどんどん、新しい自分を発見できる。

みんなと一緒に笑い、歌い、戯れに倒れてもみて。 そして、責任を楽しむ術を知り。

ぜんぶ新しい私。

次は恥ずかしい衣装で、衆目に晒される私・・・かしら。

こっちの「私」はかなりハードルが高そうだけれど、頑張って飛び越えなくちゃ。

だって・・・

210 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/24(木) 02:06:58.54 ID:Ecyd/IL60
和 「く・・・ふふ」

律 「和は寝ながら笑ってるし・・・」

唯 「え? あー。和ちゃん、起きてんじゃん! もう、心配したんだからね?」

和 「ごめんごめん。さ、早速衣装を試着してみましょ。せっかくのライブ、いつもの制服じゃ見栄えしないものね」

さわ子 「和ちゃん! そうこなくちゃね!」

紬 「じゃあこのフリルひらひら~の衣装はどうかしら? とっても可愛いと思うの~~♪」

和 「まずは片っ端から着てみるわ。こんなの着たことがないから、なにが自分に合うかなんて分からないもの」

澪 「なんだよぉ・・・ 結局は和もノリノリの側だったのか・・・」

和 「当然じゃない。確かに恥ずかしいけど、そうも言ってられないわ。だって・・・」


本番まであと二日!


和 「なんだからね!」



終わり!!

211 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) New! 2011/03/24(木) 02:09:02.61 ID:Ecyd/IL60
終了です。読んでくれた人、どうもありがとう。

澪の過去話や唯律フラグの件は、これから考えてみます。
上手くまとめることができたら投下するので、良かったらまたお付き合い下さい。

ではまた~。

215 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) sage New! 2011/03/24(木) 11:37:07.31 ID:+ig2mva4o

唯律フラグの件は気長に待ってるよ

スポンサーサイト

テーマ:けいおん! - ジャンル:アニメ・コミック

コメント
コメント
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
トラックバック URL
トラックバック
copyright © 2018 Powered By FC2ブログ allrights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。